りんごの種類とその特徴は?保存方法やおいしい時期も紹介

りんごの種類

「1日1個で医者いらず」といわれるほど栄養豊富なりんご。酸味と甘味のバランスが良く、世代を問わず愛される果物のひとつです。

スーパーなどでは一年中見かけますが、メインの収穫時期である秋から冬のりんごのおいしさは格別!
種類によって味や食感が変わるため、さまざまな種類を試してお気に入りを見つけるのもおすすめですよ。

ここでは、りんごの代表的な種類と特徴のほか、おいしさのカギを握る水分を逃さない保存方法などをご紹介します。

りんごの種類はどれくらいある?

ふじ、王林、ジョナゴールドなど、りんごは種類が多くあるので、食べる楽しみはもちろん、選ぶ楽しみもある果物ですよね。

とはいえ、私たちが見かけるりんごは、世界で栽培されているりんごのごく一部にすぎません。
世界では約1万5,000種類のりんごが栽培されており、国内だけでも約2,000もの品種があるといわれています。

2022年産のりんごの都道府県別の収穫量割合は、青森県が最も多く、次に長野県、岩手県と続き、この3県で全国のほとんどの収穫量を占めています。

最も生産量が多い青森県では、約50種類のりんごが生産されていますが、市場に出荷されているのは40種類程。
まだまだ食べられていないりんごがありそうですね。

りんごの4つの収穫時期と、時期ごとに採れる品種

りんごは、外国産を含めてたくさんの種類が流通しているため、一年を通じて手に取ることができます。
保存技術の発達で長期保存できるようになったこともあり、いつでもおいしいりんごが食べられるようになりました。

中でも特に味が良いのは、寒さが深まる秋から冬。
この時期は、スタンダードなりんごのフレッシュな味わいを楽しむことができます。

収穫量が多いのもこの時期ですが、品種によって収穫時期は8〜11月と幅広く、それぞれ異なる旬の味があります。

ここからは、4つの収穫時期と、各時期で採れるりんごの特徴と品種をご紹介します。

極早生種(ごくわせしゅ):8月上旬~下旬収穫

極早生種は、8月に旬を迎えるりんご。
夏の入り口にぴったりのさっぱりとした酸味が特徴で、生産量が少ない希少品種が多い時期です。

この時期に採れる主な品種は、次の「夏緑(なつみどり)」。

夏緑

希少性が高く、「見つけたら買い」のりんごが夏緑です。
8月下旬頃が最もおいしいことと、鮮やかな緑色をしていることからこの名がつきました。
甘味はありますが酸味が強く、爽やかな風味で夏に最適。
大きいと300g程あるものも。

早生種(わせしゅ):9月上旬~下旬収穫

早生種の収穫は9月がピークです。
シャキシャキとした果肉に強い甘味が詰まっており、酸味は控えめ。果汁が多めでジューシーなのも特徴です。

この時期に採れる主な品種は、次の2つ。

つがる

青森県りんご試験場が育成し、1975年に品種登録されたつがるは、青森県ではふじの次に多く生産されています(農林水産省「令和4年産りんごの結果樹面積、収穫量及び出荷量」より)。
赤色の地に縦の縞模様がある見た目が特徴的で、果肉は固め。
甘味が強くて酸味がほとんどなく、果汁がたっぷり含まれています。

りんごの品種つがる

きおう

きおうは、岩手県園芸試験場(現・岩手県農業研究センター)が育成し、1994年に品種登録されました。
現在も、主に岩手県で栽培されています。
特徴は光沢のある黄色の果皮で、完熟するとサクサクとした優しい歯触りに。
硬めの食感で、噛むとたっぷりの果汁とともにバランスのとれた酸味と甘味が口の中に広がります。

中生種(なかてしゅ):9月下旬~10月下旬収穫

中生種が収穫時期を迎えるのは、9月下旬から10月下旬にかけて。
酸味と甘味のバランスが良く、サクサクとした食感を好む人も多いです。

この時期に採れる主な品種は、次の5つ。

シナノスイート

長野県を代表するりんごで、甘味が強いことから「シナノスイート」と命名されたといわれています。
早生種のつがると晩成種のふじという、糖度の高い品種を掛け合わせて生まれ、1996年に品種登録されました。強い甘味に加え、サクサクとした食感も楽しく、近年人気が高いりんごです。

紅玉

アメリカ原産の紅玉(こうぎょく)は、日本には1871年に到来。青森県で主に収穫されています。
小ぶりで、ほかの品種より酸味が強いため、アップルパイやジャムなど料理用としても人気があるりんごです。

秋映

秋映(あきばえ)は長野県で多く収穫されるりんごで、完熟した皮の色は黒に近い濃い赤色。
甘酸っぱくパリッとした食感で、昔ながらのりんごといったイメージです。

ジョナゴールド

日本でトップクラスの生産量を誇るジョナゴールドは、アメリカのニューヨーク州で育成されたりんご。
日本では1970年代から栽培されるようになりました。
甘味と酸味のバランスが良く、そのまま食べる以外にも、ジュースやお菓子づくりにおすすめです。

トキ

トキは、青りんごの王林と赤りんごのふじの交配種で、果皮は黄色。
果汁が非常に多く、黄色いりんごの酸っぱそうなイメージを覆す甘味があります。
青森県のほか、秋田県や北海道でも生産されていますが、旬が短いため、おいしく食べられる期間は長くありません。

りんごの品種トキ

晩生種(おくてしゅ):10月下旬~11月中旬収穫

10月下旬から11月中旬にかけて収穫されるのが晩生種で、豊かな香りと甘味が特徴。
日本のりんご生産量の約半分を占めるふじが収穫されるのもこの時期です。

この時期に採れる主な品種は、次の5つ。

ふじ

ふじは、2022年産のりんご収穫量の半数以上を占める、国産りんごを代表する品種で、世界でも多く栽培されています。
青森県藤崎町で生まれたことからこの名前になりました。
シャキシャキした食感に加え、甘味と酸味のバランスが抜群に良いことも、長年人気がある理由です。

サンふじ

サンふじ

国内生産量1位のふじのうち、袋をかけずに育てたものがサンふじです。
蜜が入りやすい品種で、完熟期は蜜がたっぷり。
濃厚な甘さと程良い酸味、歯応えの良さに加えて、ジューシーさもあります。
皮が薄いので皮ごと食べるのも◎。

王林

王林(おうりん)も、日本でトップクラスの収穫量を誇るりんご。
皮が黄緑色のため、酸味が強そうに見えますが、実際は甘味が強く、青りんごならではの爽やかさもしっかり感じられます。
やわらかい歯触りなので、固めの食感より軽やかな食感を好む方におすすめ。

りんごをおいしく食べられる期間はどれくらい?

りんごは、品種によって日持ちする期間が大きく異なります。

夏のりんごである極早生種は足が早い品種であり、夏の暑さも劣化を早めるため、購入後は冷蔵庫で冷やしてすぐ食べるのが基本。

比較的日持ちがする品種としては、ふじが知られていますが、冷暗所での保存は1週間程度まで。
1週間以上保存する場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。

りんごの種類別・冷蔵保存期間の目安

りんごの種類 冷蔵保存期間
極早生種 2週間
早生種 1~2ヵ月
中生種 2~3ヵ月
晩生種 3~8ヵ月

品種ごとの旬と特徴を知り、そのとき最もおいしいりんごを味わおう

りんごにはさまざまな種類、品種があり、それぞれに特徴や旬が異なります。
時期ごと、品種ごとに味比べをして自分の好みのりんごを見つけてみましょう。

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