カニの種類ごとの違いは?四大カニの特徴と、おいしい食べ方を紹介

カニが2杯お皿に乗った様子

カニと聞くと、「冬のごちそう」というイメージを抱く人が多いかもしれません。
しかし、カニと一口にいってもその種類はさまざまで、旬も味も異なります。

日本で通常食べられているのは「四大カニ」と呼ばれる4種のカニで、それぞれ特徴やおすすめの食べ方も変わってきます。
ここででは、四大カニの特徴や選び方のほか、おいしい食べ方などについてご紹介します。

日本で流通するカニの種類

日本には約1,000種のカニが存在し、大きく「カニ下目」「ヤドカリ下目」の2種類に分けられます。

カニ下目とヤドカリ下目、それぞれの代表的なカニの種類は次のとおりです。

カニ下目


  • ズワイガニ
  • 毛ガニ
  • アサヒガニ
  • 高足ガニ
  • ワタリガニ など

ヤドカリ下目


  • タラバガニ
  • 花咲ガニ
  • アブラガニ
  • イバラガニ
  • ヤシガニ など

上記のカニの中でも、日本で主に流通しているカニである「タラバガニ」「ズワイガニ」「毛ガニ」「花咲ガニ」が、四大カニと呼ばれています。

四大カニの特徴は?

タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・花咲ガニの四大カニは、それぞれ旬や特徴が異なります。
せっかくカニを選ぶのであれば、種類ごとの特徴を知った上で選ぶのがおすすめです。

まずは、四大カニそれぞれの特徴を見ていきましょう。

タラバガニ

タラバガニ

タラバガニは、脚を広げたときの大きさが1mにもなるとても大きなカニです。
北洋に多く生息していますが、日本でとれるのは北海道近海のみ。

主に太い脚の部分に身が詰まっており、味は淡白であるものの、ボリューム感があって食べ応えがあります。
一方、カニ味噌はほとんど入っておらず、茹でても固まらない性質があるため、加熱するときに流れ出てしまいます。

タラバガニの旬は年に2回あり、4~5月は若々しく甘味の強いカニ、11~2月は脱皮を繰り返し、成熟した重厚感のあるカニを味わえるでしょう。

ズワイガニ

ズワイガニ

ズワイガニは、太平洋側の各地で水揚げされ、旬は漁獲が解禁される11~3月頃。
水揚げされた地域によって呼び名が変わり、北陸地方では「越前ガニ」、山陰地方では「松葉ガニ」と呼ばれています。

ズワイガニは身がやわらかくて甘味が強く、カニみそも濃厚。
甲羅によくついている黒い点々は「カニビル」という生き物の卵で、特に害はありません。ズワイガニのほかにタラバガニにもよくついています。
むしろ、カニビルがついているカニほど質が良く、身が詰まった良いカニである可能性が高いといわれています。

なお、オスは脱皮を繰り返しながら大きく育ちますが、メスは卵を持つと脱皮しなくなるため、体が小さいのが特徴。
中でも松葉ガニの小さいメスは「セイコガニ」「香箱(こうばこ)ガニ」と呼ばれ、オスに比べて濃厚な味わいが魅力で昔から親しまれています。
ただ、とれる期間は11~12月と限られているため、とても貴重です。

毛ガニ

毛ガニ

毛ガニは甲羅にびっしりと生えた毛と、ずんぐりとして重いのが特徴的。

主に北海道各地でとれるカニですが、岩手県でも水揚げされています。とれる場所によって旬が異なり、通年楽しめるカニです。

小ぶりなため、身はあまり多くは取れませんが、一番の魅力はカニ味噌。四大カニの中で最もクリーミーで、濃厚な味わいを楽しめるでしょう。
甲羅の大きさが違ってもとれるカニみその量はほとんど同じで、たくさん食べられます。

花咲ガニ

花咲ガニ

小ぶりながら脚が太く、鮮赤色のトゲトゲとした殻で覆われた見た目が印象的。
北海道根室市の花咲半島が主な漁獲場所であることから、花咲ガニと呼ばれるようになったそうです。
水揚げ量が少なく貴重なため、「幻のカニ」ともいわれています。

漁期は釧路が3~7月、根室が7~9月であるため、初夏から秋口にかけてだけ楽しめます。
弾力があってプリッとした食感の身が特徴で、味は濃厚で旨味がたっぷり。カニ味噌も絶品です。

種類別・カニのおいしい食べ方

四大カニの特徴で見てきたように、カニは種類によって味が異なります。
旨味の強いカニが食べたいならタラバガニ、カニ味噌が目当てなら毛ガニなど、好みや食べ方に応じて食べ分けるといいでしょう。

調理方法も、茹で、焼き、しゃぶしゃぶ、鍋物、味噌汁など、幅広くアレンジができます。
ここでは、四大カニそれぞれのおすすめの食べ方をご紹介しましょう。

タラバガニ:カニしゃぶ、焼きガニ

タラバガニの旬は、4~5月と11~2月に分けられます。それぞれのシーズンでのおいしい食べ方を見ていきましょう。

4~5月のおすすめ

4~5月のタラバガニは甘味が強いため、カニしゃぶがおすすめです。
薄味の出汁にくぐらせるだけで、タラバガニ本来の甘味を味わえます。カニの身を少し残した鍋で、締めの雑炊を食べてもいいでしょう。
また、パスタなどに加えるのも◎。若々しいタラバガニの引き締まった食感を楽しめます。

カニしゃぶ

11~2月のおすすめ

身が詰まった11~2月のタラバガニは、カニのエキスを余すことなく楽しめる焼きガニで味わいましょう。
網をのせたコンロでカニが焼けていく様子を楽しみつつ、磯の香りを感じながら熱々のタラバガニの身を堪能してみては?

焼きガニ

ズワイガニ:刺身、カニ鍋

やわらかな身と濃い旨味を持つズワイガニは、茹でても焼いてもおいしくいただけます。
新鮮なズワイガニであれば、お刺身で食べるのもいいでしょう。

特におすすめなのは、ズワイガニの出汁を残さず味わえる鍋物。
ズワイガニの身はやわらかいので加熱してもパサつきにくく、プリっとした弾力を楽しめます。

薄味の出汁で調理して、ズワイカニの旨味をほかの具材にも染み込ませた鍋は絶品です。
締めは雑炊にして、ズワイガニの魅力を残さず味わいましょう。

カニ鍋

毛ガニ:茹でガニ、甲羅焼き、パスタ

毛ガニは濃厚な風味が特徴的なため、シンプルに茹でガニで味わうのがおすすめです。
ただ、水揚げしてから時間が経つと、泡を吹くことがあり、その際に身もいっしょに出てしまうことがあるため、なるべく早く茹でるようにしてください。

また、毛ガニといえばカニ味噌を味わわない手はありません。
毛ガニの甲羅を開けて、そのままスプーンでカニ味噌を味わってみるのもいいですし、カニ味噌がついた甲羅を焼き網にのせて弱火でじっくり焼く甲羅焼きもおすすめです。

さらに、トマトソースにカニ味噌を加えてパスタに、ホワイトソースの隠し味にカニ味噌を加えてグラタンにすれば、お子さんも楽しめるでしょう。

花咲ガニ:刺身や味噌汁、カニ鍋

花咲ガニは、プリッとした身としっかり濃厚な味を活かして、シンプルに刺身や蒸しガニ、茹でガニで食べるのがまずはおすすめ。

また、濃い出汁が取れるので、汁物や鍋物でもおいしくいただけます。中でも、花咲ガニのとれる北海道での定番の食べ方は「鉄砲汁鍋」。
鉄砲汁とはカニの入った味噌汁のことで、辛口ですっきりとした北海道味噌と甘い香りを持つ花咲ガニは、相性が抜群です。

旬は冬だけじゃない!さまざまなカニの長所を楽しもう

現在、日本の市場で流通するメインのカニはタラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・花咲ガニの四大カニで、冬だけでなく通年楽しめるようになっています。

今回ご紹介したように、四大カニの味わいはそれぞれに特徴があり、おすすめの食べ方も異なるため、さまざまなカニを試して、お気に入りを見つけてください。
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季節によってラインナップも変わりますので、まめにチェックしながら、さまざまなカニを味わってみてはいかがでしょうか?