牡蠣が食べ頃の時期は?旬ごとの牡蠣の特徴、おすすめの食べ方を紹介

牡蠣の食べ頃

「海のミルク」とも呼ばれ、おいしさはもちろん、栄養が豊富であることもよく知られる牡蠣。
冬に食べるイメージが強いかもしれませんが、実は牡蠣の種類によって旬の時期が夏と冬に分かれます。

よりおいしく牡蠣を食べるには、夏の牡蠣と冬の牡蠣の特徴を知っておくのも通な楽しみ方。おすすめの食べ方も併せてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

牡蠣の旬は?

牡蠣にはさまざまな種類がありますが、日本国内で主に食べられている牡蠣は、大きく「真牡蠣」と「岩牡蠣」の2種類に分けられます。

真牡蠣と岩牡蠣では、旬の時期や特徴に大きな違いがあります。

真牡蠣:冬が旬

真牡蠣

岩牡蠣よりもサイズは小ぶりの真牡蠣。

真牡蠣は全国各地で養殖されており、1~3年かけて育て、10〜4月の半年間で水揚げされます。
12〜2月が旬の時期とされ、天然ものはほとんど流通していません。

真牡蠣は5〜8月の産卵期を迎えると大量に産卵し、蓄えた栄養素を一気に放出します。
そうすると身がやせ、旨味成分(グリコーゲン)も落ちてしまうため、産卵期前の冬に食べるのが◎。

最近では冷凍技術の発達により、おいしい時期に水揚げされた真牡蠣がいつでも食べられるようになりました。
スーパーなどで、むき身で販売されている牡蠣のほとんどは養殖の真牡蠣であるため、流通量が安定しています。

岩牡蠣:夏が旬

岩牡蠣

真牡蠣よりも肉厚な岩牡蠣。

岩牡蠣は天然ものが多く、海女さんによる水揚げも行われています。
そのため、真牡蠣より希少性が高く、価格も高めであることが多いでしょう。

一般的に、牡蠣は産卵を迎える夏に味が落ちますが、夏前に一気に産卵する真牡蠣に対し、岩牡蠣は数ヵ月かけて少しずつ産卵するため、6〜9月の水揚げ期間が最もおいしいといわれています。

また、岩牡蠣は長い時間をかけて成長するため、殻と身がとても大きくなります。
天然ものと養殖もの、どちらもむき身で売られることは少なく、殻付きで流通することがほとんどです。

牡蠣は「R」のつく月に食べるのがいいといわれているけれど…

牡蠣の食べ頃を示す言葉として、「牡蠣はRのつく月に食べよ」という言いならわしがあります。

Rがつく月とは、英語のスペルで「R」が含まれる月のこと。
具体的には、9月「September」、10月「October」、11月「November」、12月「December」、1月「January」、2月「February」、3月「March」、4月「April」です。

これは、牡蠣はかつて寒い時期ほどおいしいといわれていたことに加え、暑い夏に牡蠣の鮮度を保って保存する方法がなかったことが理由。
食中毒を避け、安全に牡蠣を味わうための戒めとして言い伝えられてきたと考えられます。

冷凍技術が発達した現在では、Rがつかない温暖な時期にもおいしい牡蠣を食べることができますので、まったく気にしなくて構いません。
ただ、牡蠣を購入してからご自宅で召し上がる際は、なるべくすぐに食べるよう心掛けるのはもちろん、保存の仕方も慎重を期してください。

真牡蠣・岩牡蠣のおすすめの食べ方

真牡蠣と岩牡蠣では、味や食感に違いがあります。
ここからは、それぞれの特徴を活かしたおすすめの食べ方をご紹介しましょう。

真牡蠣:牡蠣フライや炊き込みご飯に

牡蠣フライ

真牡蠣のサイズは小ぶりで、殻は薄く細長い形をしています。
小さい分、旨味が凝縮されて磯の香りも強く、「海の幸をいただいている」実感がある牡蠣だといえるでしょう。

生で食べたときの口当たりは滑らかで、まろやかで濃厚な味が楽しめます。
加熱すると身が締まってさらに旨味が強く感じられるため、牡蠣フライや炊き込みご飯にするのがおすすめです。

岩牡蠣:生で食べるほか、蒸し・焼きも◎

生で食べる岩牡蠣

岩牡蠣は、真牡蠣に比べて大ぶりで、水揚げ間近のものは両手に余るほどの大きさの殻を持っています。

大きい分、身は肉厚でジューシー。
牡蠣らしい独特の渋みとクリーミーさがありながらも、真牡蠣より後味があっさりしているため、暑い夏にぴったりです。

そんな岩牡蠣は、殻のまま食卓にのせて、殻から身を取り出して生で食べてみてください。
あえて味つけをせず、そのまま磯の香りとともに味わっても、レモン汁やポン酢を絞って軽く味をつけても◎。

また、殻のまま蒸したり、網で焼いたりすると旨味が凝縮し、生食とはまた違った味わいがありますよ。

牡蠣の主な産地

牡蠣は全国各地で養殖され、それぞれの環境を活かして独自のブランドを確立している地域も多くあります。
その中でも、牡蠣の産地として有名な地域をご紹介しましょう。

広島県

広島県は、水揚げ量が全国の半分以上を占める一大産地(※)。
同じく牡蠣の名産地である岡山県や兵庫県とともに瀬戸内海育ちで、コクのあるしっかりとした味わいで人気を博しています。

※農林水産省「令和4年 海面漁業・養殖業生産量」より。

宮城県

広島件に次ぐ水揚げ量を誇る宮城県、そして岩手県といった三陸エリアは、牡蠣の養殖に力を入れている地域。
濃厚な牡蠣も、あっさりした味わいの牡蠣もとれるため、生食で味の違いを比べてみるのがおすすめです。

北海道

北海道では、厚岸(あっけし)・佐呂間(さろま)・知内(しりうち)が牡蠣の三大名産地。
厚岸は特に水温が低いため、養殖時期を調整し、年間を通じて複数のブランド牡蠣を展開しています。

牡蠣に含まれる栄養素とその効能は?

牡蠣には、さまざまな栄養素が含まれています。ここでは牡蠣に含まれる主な栄養素と、その効能について見ていきましょう。

免疫力を高める「亜鉛」

亜鉛には免疫力を高める働きがあり、風邪などの感染症の予防に加え、肌荒れや抜け毛、貧血の改善なども期待できます。

牡蠣に含まれる亜鉛は、可食部100gあたり14mg。
これは、厚生労働省が定めた1日の推奨摂取量を十分満たすものであるため、男女共に亜鉛が不足ぎみといわれている日本人にとって、牡蠣はうれしい食材といえるでしょう。

集中力の低下や貧血を防ぐ「鉄分」

鉄分は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンを作るのに必要な栄養素です。

鉄が不足することで体内の酸素も不足し、集中力が低下したり、疲れやすくなったりするほか、貧血になればめまいや頭痛などの原因にもなります。

貧血を予防する「ビタミンB12」

牡蠣に豊富に含まれるビタミン群の中でも、ビタミンB12は赤血球の生成を助ける役割を持つ栄養素で、亜鉛や鉄と共に貧血予防に役立ちます。

また、傷ついた神経を修復する働きを持つため、神経痛や肩こり、腰痛、眼精疲労の改善にもつながるでしょう。

コレステロールや中性脂肪を減らす「タウリン」

滋養強壮や疲労回復に効くといわれるタウリン。
栄養ドリンクなどで名前を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

タウリンは牡蠣に含まれるアミノ酸のひとつで、肝臓の働きを高めて解毒を促します。
また、血液中のコレステロールの消費を促進して吸収を抑える、心臓や肝臓の機能を向上させる、高血圧を予防するといった働きもあり、生命を維持するためにも欠かせません。

集中力の向上や疲労回復に役立つ「グリコーゲン」

グリコーゲンは、牡蠣の旨味の素になっている栄養素です。
体内に入ると分解されて肝臓や筋肉などに蓄えられ、糖が不足したときに即効性のあるエネルギー源として働きます。

脳のエネルギー源としても利用されて、集中力の向上や記憶の定着に役立つほか、筋肉に蓄えられた分は運動に必要なエネルギー源になったり、疲労回復を助けたりします。

2種類の牡蠣の味を、おいしい時期に楽しもう

牡蠣の食べ頃は、真牡蠣と岩牡蠣では時期が異なり、夏と冬のそれぞれで旬の味を楽しむことができます。
牡蠣の種類による違いだけでなく、産地によっても味わいが異なってくるため、さまざまな産地の牡蠣を食べ比べてみてもいいでしょう。

また、優れた冷凍技術で旬の時期以外でもおいしい牡蠣を食べることができるのは、牡蠣好きにはうれしいですよね。
全国の名産品が産地直送で届くめいぶつチョイスでは、新鮮な牡蠣もそろっています。生産者がこだわり抜いて育てたおいしい牡蠣をぜひお楽しみください。