桃の旬はいつ?主な種類と特徴、食べ頃の見極め方を紹介

桃の旬

やわらかくてジューシーな果肉が人気の桃。

とろけるような食感と濃厚な甘味で、世代を問わず愛されている果物で、旬の時期を心待ちにしている人も多いのでは?
自宅で楽しむのはもちろん、贈答品として重宝している人もいるでしょう。

桃には種類ごとに旬が異なりますが、いずれもそれほど長くないため、おいしい時期を逃さずにたくさん味わいたいもの。
ここでは、桃の旬や、主な種類と特徴、食べ頃の見極め方についてご紹介します。

桃の旬は、夏とは限らない

うだるように暑い夏の日、冷蔵庫で冷やした桃のおいしさは格別です。
夏には桃の中でも多くの品種が食べ頃を迎え、市場への流通も多くなるため、「桃は夏の果物」という認識が一般的かもしれません。

しかし、実際には桃の旬は種類によってさまざまで、必ずしも夏が旬とは限りません。
超早生種から始まって早生種、中生種、晩生種と旬が移っていくため、早いと6月、遅いと9月頃においしさのピークを迎えるものも。

山梨県の「冬桃(とうとう)」、岡山県の「冬桃がたり(ふゆももがたり)」など、冬に旬を迎える珍しい品種もあり、夏以外でも桃を楽しむことができるのです。

桃の収穫量が多い主な産地と桃の種類

国内では、山梨県、福島県、長野県を中心に、山形県、和歌山県、岡山県が桃を多く生産しています。
国内の収穫量の大部分は、この6県が占めているといっても過言ではありません。

このように産地は限定的ですが、そこで栽培されている桃の種類は非常に多彩。
全国で栽培されている桃はなんと100種類以上もあり、大きく「白桃系」「白鳳系」「黄桃系」「ネクタリン」の4つの系統に分かれます。

ここからは、系統ごとにそれぞれの特徴をご紹介します。

白桃系

白桃系の桃

最も品種が多いのが、日本の桃の元祖ともいわれる白桃系です。

大玉で甘味が強いので、酸味が苦手な人にも◎。
白い果肉はしっかり締まっていますが、生食に適したやわらかさがあり、ジューシーです。

白鳳系

桃の品種白鳳

白鳳系は、白桃を改良して生まれた系統です。
熟して赤くなった果皮の中にぎっしり詰まった果肉は、白桃と同じように甘くて果汁がたっぷり含まれます。

黄桃系

黄桃系の桃

白桃と違って果肉が黄色く、食感も固めの黄桃系。

歯応えがあって形が崩れにくいため、従来は缶詰など加工用がメインでしたが、近年は生食でもおいしく食べられるよう改良されています。
味は白桃に近く、濃厚な桃の旨みが感じられます。

ネクタリン

桃の品種ネクタリン

中央アジア原産のネクタリンも桃の仲間です。

白桃系や黄桃系に比べると小ぶりで、産毛がなく皮ごと食べられます。
酸味が強く、甘酸っぱい味が特徴です。

人気の桃とその特徴

ここからは、桃の系統の中でも代表的な白桃系・黄桃系から、人気の桃をピックアップ!それぞれの特徴をご紹介します。

白桃系

日本の桃の中で最もメジャーな系統が白桃系。やわらかくて甘味が強いのが特徴です。

川中島白桃

川中島白桃は、濃い桃色の晩生種で、全国で盛んに栽培されている品種です。
大玉で果肉は締まっており、しっかりした食感。糖度が高いので生食に適しており、比較的日持ちします。

あかつき

あかつきは、福島県で開発された品種で、7月中旬~下旬にかけて収穫されます。

甘味が強く、糖度は桃の中でトップクラス。果肉には歯応えがあるので、固めの食感が好きな人におすすめ。
皇室に献上される最高峰の桃としても知られており、全国的に人気が高いです。

伊達白桃

福島県伊達市で生まれた、収穫時期の遅い晩生品種の伊達白桃。
追熟でやわらかくなりますが、9月上旬~中旬の旬の時期には固めの状態で収穫されるため、食べ頃は好みのタイミングで。

晩生の桃なので、コクのある甘さを楽しめます。

西王母

9月中旬~下旬に最盛期を迎える晩生種の西王母(せいおうぼ)。
収穫された時点では青みがかかっており、追熟させると青みが抜けて甘くなります。

通常の桃の糖度が約11度なのに対し、糖度が15度前後でしっかりした甘さが感じられます。
皮ごと食べてもおいしいです。

黄桃系

改良が進んで生食用に多く出回るようになった黄桃系。
一般的には、しっかりした食感と穏やかな甘さがあります。

黄貴妃

黄貴妃(おうきひ)は、遮光性のある袋を被せ、日光をさえぎることで鮮やかな黄色になる品種で、9月上旬~中旬頃に旬を迎えます。

桃とマンゴーを混ぜたようなトロピカルな風味が魅力。収穫直後は固めですが、完熟するとねっとりした食感になります。
お尻部分の黄色が濃くなり、やわらかくなってきたら食べ頃です。

スウィート光黄

長野県佐久市発祥の「まなみ」と、同じく黄桃の「ゆうぞら」を掛け合わせたスウィート光黄(こうき)は、2001年に品種登録されました。
果皮だけでなく、果肉も黄色いのが特徴。大きめで歯応えがあり、酸味と甘味の丁度いいバランスを楽しめます。

滝ノ沢ゴールド

滝ノ沢ゴールドは、長野市で黄金桃の枝変わりの品種として発見された黄肉の桃。
糖度が高く酸味は少なめで、やわらかくとろけるような食感です。

8月上旬~中旬に旬を迎えますが、生産量が少ないため稀少で、スーパーなどにはあまり出回りません。

桃の食べ頃の見分け方と、正しい保存の仕方

桃をおいしいタイミングで食べるには、食べ頃を見極めることが大切です。
足が早い果物なので、適切な保存方法も併せて覚えておきましょう。

桃の食べ頃を見極めるポイントは、手触りと甘い香り

桃は追熟するため、購入したときに固くても問題ありません。

桃に軽くふれたときにやわらかさを感じ、甘い香りが立つようになったら食べ頃のサイン。
表面の産毛がパラパラと抜けていれば熟していますので、おいしく食べられます。

保存方法は常温が基本!食べる直前に冷蔵庫へ

桃は冷気に弱く、低温下に長く置いておくと甘味や風味が落ちます。
そのため、長時間の冷蔵保存はNG。桃を保存するときは常温が基本です。

リビングなどに置くと乾燥した空気に水分が奪われてみずみずしさがなくなってしまうため、なるべく日があたらなくて風通しの良い場所に置くようにしてください。

ちょっと面倒でも、一つひとつ新聞紙やラップ、ペーパータオルなどで包んだ後、ポリ袋に入れてしっかり口を閉じておくことをおすすめします。

食べる1~2時間前に保存場所から冷蔵庫へ移し、冷蔵庫でキリッと冷やすとよりおいしく食べられますよ。

夏から秋にかけて旬を迎える桃は、食べ頃をしっかり見極めて

桃は、スーパーなどで見かける一般的な品種以外にも多くの種類があり、収穫期も6~10月と比較的長めです。
品種によって旬や固さ、糖度に違いがあるので、時期を逃さずさまざまな品種を味わってみましょう。

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各地のおいしい桃もぜひ食べ比べてみてください!