海外で和牛ブームが起きている5つの理由
最近の和牛ブームは、以下の5つの理由が複雑に絡み合って起きています。
霜降りの柔らかさとやジューシーな味わい
オレイン酸が含まれるという健康なイメージ
SNS映えするという見栄えの良さ
日本政府・JFOODOのプロモーション
高級レストランの採用拡大
ここでは、ブームの背景にある主要な理由を解き明かしていきます。
やわらかい食感とジューシーな味わいが世界を魅了
和牛が世界で評価される最大の理由は、その唯一無二の食感と味わいです。
きめ細かく入った「サシ(霜降り)」がもたらす、とろけるような口当たりとジューシーな旨みは、赤身肉が主流の海外の食文化に大きな衝撃を与えました。
和牛の脂肪は融点(溶け出す温度)が非常に低いのが特徴です。そのため、口に入れた瞬間にじゅわっと溶け出し、肉の旨みと甘い香りが一気に広がります。
また、和牛には不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸が豊富に含まれており、「ヘルシーな脂」というイメージが健康志向の強い層にも受け入れられています。
赤身のしっかりとした食感を楽しむ海外の牛肉とは全く異なる、この繊細な美食体験が世界中の人々を虜にしているのです。
主要都市別ヒットメニュー事例
和牛はもはや高級なステーキだけの食材ではありません。世界の食の都では、そのポテンシャルを活かした多様なメニューが次々と生まれています。
WAGYUバーガー
※写真はイメージです
ニューヨークではグルメバーガーのパティに和牛を使った「WAGYUバーガー」が大人気です。
ニューヨークの「Kings of Kobe(キングス・オブ・コーべ)」では、アメリカで育てた神戸牛「アメリカ和牛」を使ったWagyuバーガーが人気です。
Yakiniku(焼肉)
※写真はイメージです
シンガポールでは本格的な日本の「Yakiniku(焼肉)」スタイルで、様々な部位を味わう体験がブームとなっています。
焼肉店「焼肉GYUBEI」が和牛の全身(24部位)を味わえるコースを開発し、ゼロ・ウェイスト(無駄ゼロ)コンセプトの焼肉を提供しています。
このように、WAGYUは各都市の食文化と融合しながら、新たなファンを獲得し続けているのです。
主要5都市の現地価格 vs 国内価格【保存版チャート】
海外で人気の和牛ですが、その希少性から現地での販売価格は驚くほど高騰しています。
主要都市の平均的な小売価格を比較してみましょう。
例えば、A5ランクのサーロインステーキ100gあたりの価格を見てみると、その差は歴然です。
各都市におけるA5ランク和牛の平均小売価格(100gあたり)
| 都市名 | 平均小売価格(100gあたり) |
|---|---|
| ニューヨーク | 約5,700~9,200円 |
| ロサンゼルス | 約5,700~9,200円 |
| ロンドン | 約12,000~20,000円 |
| シンガポール | 約2,900~4,600円 |
| ドバイ | 約10,000~20,000円 |
※海外価格は為替レートにより変動します。
日本国内のA5和牛の小売価格は1,500~4,000円/100gが一般的です。
海外では日本の3倍から4倍、あるいはそれ以上の価格で取引されることも珍しくありません。
この価格差を知ると、日本国内で最高級のA5和牛を味わえることが、いかに恵まれた環境であるかが分かります。
国内A5和牛と海外産“Wagyu”の決定的違い
日本の和牛には厳格な規格があり、以下のように定められています。
日本の和牛規格
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品種 | 黒毛和種(全体の約95%)、褐毛和種(熊本系、高知系)、日本短角種、無角和種 |
| 等級 |
歩留等級: A(72%以上) B(69〜72%) C(69%未満) 肉質等級: 1〜5(5が最高) 表示例:A5、B4、C3など |
| 肥育期間 | 去勢牛:約28〜32ヶ月 雌牛:約24〜28ヶ月 肥育開始から出荷まで:約20〜24ヶ月 |
| 個体識別番号 | 10桁の数字で構成、全頭に義務付け、生産履歴の追跡が可能、消費者がインターネットで確認可能 |
肉質等級の評価基準
| 等級 | 霜降り(BMS) | 肉色 | 締まり・きめ | 脂肪色・質 |
|---|---|---|---|---|
| 5 | 8〜12 | 優秀 | 優秀 | 優秀 |
| 4 | 5〜7 | 良好 | 良好 | 良好 |
| 3 | 3〜4 | 標準 | 標準 | 標準 |
| 2 | 2 | やや劣る | やや劣る | やや劣る |
| 1 | 1 | 劣る | 劣る | 劣る |
一方、海外で「WAGYU」として販売されているものの中には、日本の定義する「和牛」とは異なるものが少なくありません。
オーストラリアやアメリカなどで生産される「海外産WAGYU」の多くは、日本の和牛の遺伝子を持つ牛と、アンガス牛などの他品種を交配させた交雑種です。
また、日本には「A5」といった世界で最も厳しいとされる格付け制度や、一頭一頭の牛を識別・追跡できる「個体識別番号」制度があり、品質と安全性が徹底的に管理されています。
海外ではこのような統一された厳格な基準がなく、「Kobe Style Beef」のように、日本の地名を模倣したブランド名で販売されているケースも珍しくありません。
本物の和牛は、品種、肥育方法、格付けの全てにおいて、厳格な基準をクリアしたものだけなのです。
日本在住の特権!逆輸出価格差を活かした3つの活用シーン
海外では超高級食材であるA5和牛を、比較的手頃な国内価格で楽しめるのは、日本に住む私たちだけの特権です。
この価格差を活かして、日常を少し豊かにするとっておきの活用シーンを3つご紹介します。
週末の家飲みご褒美
一週間頑張った自分や家族へのご褒美に、自宅で最高級の和牛を味わう…これぞ、最高のご褒美と言えるのではないでしょうか。
外食するよりも費用を抑えながら、レストラン品質のステーキや焼肉を心ゆくまで楽しめます。
少し贅沢な赤ワインと共にいただけば、格別な週末になること間違いありません。
海外赴任・帰国の手土産
海外の友人やビジネスパートナーにとって、本物の和牛はこれ以上ないほど喜ばれる手土産になります。
現地の「Wagyu」との品質の違いを伝えられるだけでなく、日本の食文化への敬意も示すことができます。
真空パックされたステーキ肉などは持ち運びもしやすく、特別な贈り物として最適です。
外国人ゲストへのギフト
日本を訪れた外国人ゲストへのおもてなしとして、和牛のギフトは忘れられない思い出をプレゼントしてはいかがでしょうか。
美しい霜降りの入ったすき焼き用の肉、豪華な木箱に入ったステーキセットなどは、見た目のインパクトも絶大です。
日本の「おもてなし」の心を伝える最高のギフトと言えるでしょう。
部位別おすすめギフト&自宅用セット
活用シーンが決まったら、適した部位を選びましょう。
それぞれの部位が持つ特徴を知れば、より満足度が高くなります。ここでは、シーン別におすすめの部位やセットをご紹介します。
ギフトには王道の「サーロイン」「リブロース」
「牛肉の王様」とも呼ばれるサーロインや、きめ細やかな霜降りが美しいリブロースは、ギフトの定番です。
ステーキにすれば、和牛ならではのジューシーな肉汁ととろける食感を最も堪能できます。
見た目も華やかで、特別な贈り物にふさわしい部位です。
自宅用には通好みの「希少部位」や「切り落とし」
ご自宅で楽しむなら、少し変わった希少部位の食べ比べセットもおすすめです。
肩甲骨の内側にある「ミスジ」や、バラ肉の一部である「カイノミ」など、それぞれ異なる食感や味わいを発見する楽しみがあります。
また、様々な部位が入った「切り落とし」は、すき焼きや牛丼などに使うと、料理全体の味を格上げしてくれます。
海外持ち出し&個人輸出 Q&A
海外へ和牛を持っていく際は、検疫や手続きのルールに従う必要があります。ここで最新の情報を基にしたQ&Aで、疑問や不安を解消しましょう。
Q:肉製品は海外に持ち出せますか?
A:はい、持ち出し可能です。ただし、必ず日本の動物検疫所で輸出検査を受け、検査証明書を取得する必要があります。
また、持ち込みを禁止・制限している国もあるため、渡航前に相手国の駐日大使館などで最新の情報を確認することが不可欠です。
※注意:個人消費用であっても、検査証明書なしでの持ち出しは法律で禁止されています。
Q:持ち込みが禁止されている国の例は?
A:アメリカ、EU加盟国の多く、オーストラリア、台湾など、多くの国・地域で個人による肉製品の持ち込みは厳しく制限、または禁止されています。
特に「お土産」としての持ち込みは認められないケースがほとんどです。
必ず事前に相手国の条件を確認してください。
Q:持ち出せる量の目安は?
A:個人消費目的であれば数kg程度(目安2~5kg)まで認められることが多いです。
例えば、シンガポールでは牛肉製品5kg以内の携帯を検疫検査不要とする緩和措置がとられています。
Q:梱包や保冷バッグの使用は必須?
A:生肉なので保冷は必須です。長時間の移動になるため、断熱性バッグや大量の氷で肉をしっかり冷凍状態に保ちましょう。
到着後すぐ調理できるよう、事前に真空パックしておくと安心です。冷蔵・冷凍状態が崩れると品質が劣化するので注意してください。
Q:おすすめの保冷方法は?
A:輸出検査済みのラベルが貼られた真空パックの状態で、高性能な保冷バッグに入れ、保冷剤を同梱するのが基本です。
預け荷物にする場合は、スーツケースの中で動かないよう衣類などでしっかり固定しましょう。
輸送時間や季節を考慮し、十分な保冷対策を心掛けてください。
まとめ|WAGYU旋風が続く今こそ国内でA5を確保しよう
世界を席巻するWAGYUブームは、日本の和牛が持つ圧倒的な品質の高さの証明です。
とろけるような食感、豊かな香り、そして繊細な味わいは、海外の食文化に新たな価値観をもたらしました。
海外では数倍の価格で取引される最高級のA5和牛を、手の届く価格で味わえるのは、日本に住む私たちに与えられた大きなアドバンテージといえます。
週末のご褒美に、大切な人への特別な贈り物に、ぜひ本物の和牛を選んでみてはいかがでしょうか。
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