ドライフルーツに含まれる代表的な栄養素と効能
ドライフルーツに含まれる栄養素は種類によって異なり、ビタミンCのように乾燥の過程で失われるものがある一方、食物繊維やミネラル類のように生の果物より増えるものも。また、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンは、加熱することで体内への吸収が良くなります。そのため、ドライフルーツで手軽に摂取するのに適しています。
まずは、ドライフルーツに含まれていることが多い代表的な栄養素とその効能のほか、各栄養素を多く含むドライフルーツをご紹介します。
食物繊維:老廃物の排出に役立つ
多くのドライフルーツに含まれる食物繊維は、腸内環境を整える作用があることで知られています。
便秘の予防・改善に効果を発揮するほか、排出の際に老廃物を吸着するため、デトックス効果も期待できます。
食物繊維を多く含むドライフルーツ(可食部100gあたり)
ドライフルーツ | 食物繊維の含有量 |
---|---|
ブルーベリー | 17.6g |
柿 | 14g |
いちじく | 10.7g |
プルーン | 7.1g |
デーツ | 7.0g |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
カリウム:むくみの改善、高血圧の予防に◎
人体に必要なミネラルの一種であるカリウムには、体内から余分な水分と塩分を排出する働きがあります。むくみの改善や、高血圧の予防に役立ちます。
カリウムを多く含む代表的なドライフルーツ(可食部100gあたり)
ドライフルーツ | カリウムの含有量 |
---|---|
マンゴー | 1,100mg |
いちじく | 840mg |
ぶどう | 740mg |
柿 | 670mg |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ビタミンA、E:老化防止に役立つ
ビタミンAやEは脂溶性ビタミンなので、水溶性ビタミンとは違い、熱に強い性質があります。そのため、加熱しても含有量があまり変わりません。どちらも高い抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。
なお、ビタミンAは、動物性食品にはビタミンAとして含まれますが、植物性食品にはβ-カロテンとして含まれます。
ビタミンAを多く含む代表的なドライフルーツ(可食部100gあたり)
ドライフルーツ | ビタミンA(βカロテン)の含有量 |
---|---|
マンゴー | 6,100μg |
プルーン | 1,200μg |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ビタミンEを多く含む代表的なドライフルーツ(可食部100gあたり)
ドライフルーツ | ビタミンEの含有量 |
---|---|
いちじく | 1.7mg |
デーツ | 1.7mg |
プルーン | 1.3mg |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ドライフルーツを食事に取り入れることで得られるメリット
栄養たっぷりのドライフルーツを食事に取り入れることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットについて解説します。
生の果物よりも手軽に栄養をとることができる
ドライフルーツは、水分を蒸発させる過程で栄養素が凝縮されているため、少ない量で効率的に栄養素をとることができます。
生のフルーツと違って、皮をむいたり、切り分けたりする必要がなく、思い立ったときにサッと食べられるのもポイントです。
老化を予防できる
ドライフルーツの多くは、活性酸素の生成と働きを抑える抗酸化作用が高い栄養素を含んでいます。
活性酸素は、免疫の維持などに重要な役割を果たす一方、増えすぎると動脈硬化や心筋梗塞といった疾患の原因である生活習慣病を引き起こしたり、体内の細胞にダメージを与えて老化を促進したりする物質です。
抗酸化作用を持つ食物をとると、紫外線によって引き起こされるシミやしわなどの光老化を予防できるとの研究もあり、いつまでも若々しい体と見た目を保つ効果が期待できます。
少量で満足感がある
食感が硬いドライフルーツは、生のフルーツに比べて自然と咀嚼する回数が多くなります。また、胃の中で水溶性食物繊維が水を吸って膨らむため、少量でも満足感を得やすい上、腹持ちが良いことが特徴です。
そのため、空腹を感じにくく、ダイエット中に空腹感をまぎらわせたいときなどに最適です。
プロがおすすめするドライフルーツは?

ここでは、プロがおすすめするドライフルーツと、健康や美容への効果についてご紹介します。ぜひ参考にして、取り入れてみてください。
いちじく:女性特有の体の不調を整える

いちじくは、女性ホルモンと似た働きをする植物性エストロゲンを含んでおり、女性に起こりやすい体の不調を緩和するのに役立ちます。
ホルモンバランスを整え、月経前症候群(PMS)や更年期障害の緩和などに効果があるといわれています。
レーズン:便秘の改善や血糖値上昇の予防に効果的

レーズンは保水性が高く、便通の改善に役立つ不溶性食物繊維が豊富です。また、水溶性食物繊維も含まれているため、糖質の吸収を緩やかにし、食後の急激な血糖値上昇を防ぎます。
デーツ:豊富な抗酸化物質で老化に対抗

砂漠の過酷な環境で育ち、「生命の樹」ともいわれるデーツは、とにかく栄養が豊富。中でも、抗酸化物質のひとつであるポリフェノールやビタミンEの含有量は、ドライフルーツの中でもトップクラスです。活性酸素による酸化を防ぎ、老化に対抗します。
柿:抗菌・抗ウイルス作用がある

柿といえば、苦みや渋みの主成分である柿タンニン(柿渋)。これは、ポリフェノールの一種で、抗菌・抗ウイルス作用があります。
体内でビタミンAに変換され、目の健康維持に効果を発揮するβカロテンもとることができます。
パイナップル:肌の状態を改善する

パイナップルには、植物由来のセラミド(パイナップル由来グルコシルセラミド)が含まれ、肌の保湿力やバリア機能の向上に貢献します。
4週間継続的に摂取すると肌の水分量が大きく改善するとの研究結果もあり、ドライフルーツでの摂取が手軽でおすすめです。
りんご:ポリフェノールを摂取できる

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ともいわれるほど、豊富な栄養素を含むことで知られているりんご。
中でもポリフェノールには、アレルギーの原因となるヒスタミンの分泌を抑える作用や抗酸化作用があり、健康維持に役立ちます。
ドライフルーツのおすすめの食べ方
最後に、ドライフルーツの栄養を余さずにとる、おすすめの食べ方をご紹介します。ドライフルーツを食べる際の参考にしてください。
栄養素を効率的にとるなら食前の空腹時に
フルーツはデザートのイメージが強いですが、消化吸収が早いため、食前にとるほうが栄養素を効率的に摂取できます。
食物繊維の働きで血糖値の上昇が緩やかになり、食後の急激な高血糖を防ぐ効果も。できれば、朝食前がおすすめです。
便通改善には、繊維質の多いものを食後に
便通改善を試みたい場合は、デーツやいちじく、レーズンといった繊維質の多いものを選んで食後に少量を食べるのがおすすめです。
料理の甘み付けに、ソースとして使う
ピューレにしたドライフルーツを肉料理のソースに使うと、自然な甘みがプラスされて肉の味が引き立ちます。
バターやオイルなどと合わせて攪拌すると、舌触りも滑らかになりますよ。
エキストラバージンオリーブオイルなどをはじめとした良質な油といっしょにとることで、脂溶性ビタミンのビタミンAやビタミンEなどの吸収率も上がります。
栄養たっぷりのドライフルーツを日常に取り入れよう
ドライフルーツには、さまざまな栄養素がギュッと詰まっています。時間がない方でも手軽に食べられるので、美容や健康に効果的な果物の摂取量を増やしたい方は、ぜひドライフルーツを取り入れてみてください。
なお、ご紹介した栄養素の効能を妨げないよう、甘味料や着色料を使用していない無添加のドライフルーツを選ぶことをおすすめします。日本各地の生産者がこだわって作った安心・安全なドライフルーツを、「めいぶつチョイス」で探してみませんか。
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