濃厚な甘みとキレのある酸味が絶妙!
「ミヤモトオレンジガーデン」の早生みかん
愛媛県で生産されるみかんの約半数が、県西部の「八幡浜(やわたはま)市」で栽培されています。この地に構える「ミヤモトオレンジガーデン」では、早生の品種「宮川早生(みやがわわせ)」を生産しています。県内の生産農家ではポピュラーな品種で、10月後半から11月いっぱいまでが収穫期です。
一般的な早生みかんは甘みと酸味のバランスが良いとされていますが、ミヤモトオレンジガーデンの早生みかんは、濃厚な甘みとキレのある酸味が特徴です。一口味わえば、しっかりとした甘みと、さわやかな酸味が口いっぱいに広がります。もう一つ、あと一つと手を伸ばしたくなる味わいです。
同社では10月に収穫を迎えるみかん「極早生(ごくわせ)」や12月に収穫する「中生(なかて)」も栽培していますが、早生みかんが一番の人気商品です。
ミヤモトオレンジガーデンの
栽培のこだわり
みかんの木の剪定、花もぎ、幼い果実の摘み取り、病害の予防や害虫の駆除といった、栽培に欠かせない基本の作業を適切な時期に行うことが、おいしいみかんを作るにはとても重要です。
ここでは、栽培の基本となる作業の一部を抜粋してご紹介します。
早生みかんの糖度は11度以上が目標。
甘く作るための水やりと適度な着果量※
糖度は、みかんを生産するうえで重要なポイントです。ミヤモトオレンジガーデンでは、11度以上を目標に栽培しています。みかんを甘く育てるために、水分ストレスと着果量※を重視しています。
※実のなる量
与える水分を少なく抑える「水分ストレス」
みかんの木が水分を十分に得られないために感じるストレスのことで、水分量をわざと少なく抑えることにより、糖度の高いみかんが生産できます。
水分量を調節する方法の一つに、水を通さないシート「マルチシート」を木の下に敷き詰めるやり方があります。土壌を乾燥させて水分ストレスを与えると同時に、シートによって太陽光が反射することで、木の下からも日差しが実にあたり、色づきをよくする効果もあります。
時には水分や肥料を与えるためにシートをはがすこともあります。みかんの木の下にもぐりこみ、シートを敷いたりはがしたりを、繰り返し丁寧に行う。骨の折れる作業ではありますが、手を抜かないことが甘いみかんの生産につながっています。
間引きを遅らせて、みかんの木にストレスを与える
みかんの実一つひとつの成長を促したり、大きさを調節したりするために、付きすぎた実を間引く作業「摘果(てきか)」を行います。本来は6月~9月ごろの作業ですが、時期を遅らせてわざと木にストレスをかけます。水分ストレスと同様に、実のなる量「着果量」においても木にストレスを与えて糖度を高めています。
カンや経験だけに頼らない、最新技術やデータを駆使した先進的な農業
長年栽培に携わるなかで得たカンや経験は、生産者にとってかけがえのない財産です。しかし、農業従事者それぞれの感覚だよりであるがゆえに、次世代への継承がしづらい側面もあります。
そこでミヤモトオレンジガーデンでは、独自に開発したシステムを利用し、栽培記録をデータ化して蓄積。過去の栽培履歴を活用することで栽培状況と収穫量の因果関係が明確になり、みかんの品質・生産量の向上に一役買っています。
たとえば雪が降ると寒暖差が大きくなるため、寒さで実が締まり、雪で凍った実が溶けて果汁が減少する傾向があります。しかし、みかんの外見からは中身の状態を判断することは困難です。
そのような年は「何日に雪が降り、何月の栽培品種に影響が出た」といった記録をデータ化しておくことで、再び同様の気象に見舞われたときに有効な対策を立てることが可能になるのです。
また、ドローンでの農薬散布は作業の効率化に役立つとともに、生産者の体の負担も劇的に減らすことができました。