年の始めは出世魚で縁起よく
宮崎・島野浦島の金寿カンパチ

Miyazaki
金寿カンパチ
結城水産が養殖している魚
写真中央が金寿カンパチ

金寿カンパチはめでたい出世魚

年の始めは、出世魚「カンパチ」でゲン担ぎ。宮崎県の離島・島野浦島で養殖業を営む結城水産の「金寿カンパチ」は、自社の船「金寿丸」から名付けたプライベートブランド。名前良し、味良しで“ハレの日”にぴったりです。

金寿カンパチの刺身

引き締まった身のうま味と脂のうま味の好バランス

カンパチはアジ科ブリ属の魚で、ブリやヒラマサと同じ仲間です。一般的なカンパチは、引き締まった身と少なめの脂身が特徴と言われていますが、金寿カンパチは脂と身のうま味のバランスが秀逸。また、魚臭さを感じさせないスッキリとした味わいと、ぷりっとした食感も特徴です。

毎月リピートも。金寿カンパチがグルマンに支持される理由

毎月購入するリピーターがいるほど、熱烈に支持されている金寿カンパチ。年末年始の家族が集まるときやハレの日のほか、大切な方への贈答用に一匹まるごと注文が入ることもあります。“ここぞ”のシーンで選ばれる理由には、徹底した鮮度管理と下処理のこだわりがあります。

神経じめの方法

鮮度を保つ血抜きと神経じめ

出荷する際は、魚に余計なストレスをかけないよう、一撃で動きを止める「脳じめ」でカンパチの頭をたたいたあと、「血抜き」で体内からできるだけ血を抜き取ります。そして「神経じめ」で死後硬直を遅らせ、身の食感を保つ処置を行います。

血抜き

生臭さや、腐敗は細菌が繁殖することによって起こりますが、原因となるのが死んだ生物の体内に残った血液です。そのため、心臓がまだ動いているうちにエラ下の動脈を切ります。血液が固まりにくい海中でカンパチを左右上下に振ると、しっかり血抜きができます。ただし金寿カンパチは約3.5kgもの重量があるため、養殖する側にとっては重労働です。

神経じめ

魚は暴れるほど、うま味のもととなるたんぱく質の一種「ATP」が減少するうえ、身が疲れると死後硬直が早まり鮮度が落ちやすくなります。
それを防ぐために、先述の「脳じめ」と「神経じめ」をします。「脳じめ」だけでは20分ほどで暴れ出すため、神経の通り道にあたる頭から脊髄にかけてワイヤーやピアノ線を通し、再度体を動かなくします。

神経じめも血抜きも、鮮度を保つには1分1秒を争います。そのためには一度に大量をしめるのではなく、いけすから1匹ずつ素早く揚げてその場で処置します。カンパチのおいしさを最大限保つための手間を惜しまない。細やかな気配りが結城水産の真骨頂です。

金寿カンパチのアラと身
下処理した金寿カンパチの商品(一例)

自社の加工場で調理しやすさと食べやすさを追求

自宅で魚をさばく機会が少ない今の時代に配慮し、結城水産ではあらかじめ下処理を施したうえで販売しています。
例えば、まぐろのサクのようにブロック状にカットし、刺身用として出品。また、1ポーションあたりが150g~200gと、大人2、3人で食べきれる量をパッキングしています。酸化を遅らせる真空パックもポイントです。
セットになっているアラは、一口サイズにカットしています。これは鍋に入るサイズを意識してのこと。刺身のみならず、アラ炊きや鍋物でも金寿カンパチのおいしさを知ってほしい、という思いが込められています。

金寿カンパチの養殖、自然環境

金寿カンパチが、健康に、かつおいしく育つ理由を、島野浦島の自然環境や結城水産の養殖方法から紐解きます。

流れの速い潮が育てる健康でおいしいカンパチ

日豊海岸国定公園の一部である島野浦島は、宮崎県延岡市東部に位置し、九州本土から船で約10分の距離にあります。島の周囲は良い漁場を生み出すリアス式海岸です。

結城水産の養殖場

流れの速い潮が育てる健康でおいしいカンパチ

日豊海岸国定公園の一部である島野浦島は、宮崎県延岡市東部に位置し、九州本土から船で約10分の距離にあります。島の周囲は良い漁場を生み出すリアス式海岸です。

島野浦島
島野浦島のMAP

波が穏やか

海上に構えているいけす(養殖場)は、本土と島に挟まれているため、波が高くなることがほぼありません。波が高いといけすまで船でたどり着けない場合もあるため、波が穏やかである点は養殖にとってとても重要です。

潮の流れが速い

島は、黒潮が流れる日向灘に囲まれています。潮の流れが速いことに加えて、「上がり潮」「下り潮」といって潮の流れが1日の中で交互に変わるため、いけすの魚がしっかり泳ぐことができ、健康に育って身がほどよく引き締まり味がよくなります。
また黒潮の速い流れが、魚の食べきれなかったエサを海底にたまりにくくしています。海域の水質を汚染することなく、いけすを清潔に保つことができるので、カンパチが病気になりにくく健康に育てることができます

養殖研究の権威・近畿大学の稚魚を養殖

カンパチの養殖では、天然の稚魚を買い付けて大きく育てる方法がポピュラーです。結城水産でも同様に行っていますが、加えて「近大マグロ」を筆頭に、養殖研究で知られる「近畿大学」から、完全人口ふ化のカンパチの稚魚も1万匹仕入れています。今後は持続可能な生産体制を整えるために、完全人口ふ化の稚魚をメインとした養殖を予定しています。
稚魚は、個体の大きさに応じたいけすで育て、約2年かけて3.5kgほどのサイズまで成長させます。エサは、近海で早朝とれた鮮度抜群のイワシやサバ、アジなどを急速冷凍したものと、栄養剤や魚粉などを独自の割合で配合。個体それぞれの健康状態や育成状況に合わせてエサの配合を微調整し、自社の基準を満たす品質を安定して供給できるよう、細心の注意を払っています。

養殖の様子
カンパチ南蛮

金寿カンパチの食べ方、保存方法

地元の生産者ならではの食べ方や保存方法をご紹介します。

カンパチ南蛮

カラッと揚げた鶏肉を甘酢とタルタルソースで味わう「チキン南蛮」ならぬ「カンパチ南蛮」です。鶏肉の代わりにカンパチを揚げ、チキン南蛮のタレに浸して味わいます。お好みで玉ねぎやピーマン、ニンジンの細切りを加えてもおいしく食べられます。
まずはタルタルソースぬきで、カンパチの繊細なおいしさを味わったら、お好みでソースにつけて召し上がれ。

金寿カンパチの握り寿司

熟成カンパチのお寿司

結城水産が独自に熟成させたカンパチを使います。熟成させるとイカのようなねっとりとしたうま味がのり、酢飯と相性抜群。様々な具材を散らしたちらし寿司よりも、酢飯と熟成カンパチのシンプルな組み合わせがおすすめです。
※熟成カンパチは結城水産のショップページから出品予定です。

刺身用ブロックの冷蔵は5日、冷凍は20日

冷蔵品は発送日を含めて賞味期限が5日です。残った分は、空気が入らないようにキッチンペーパーで包み、その上からラップをかけて、チルド室で保存します。できるだけ早めに食べきります。
冷凍品の賞味期限は20日です。解凍は流水解凍で20〜30分。ほとんどドリップは出ませんが、解凍後にキッチンペーパーで水気を取り、すぐ食べない場合は冷蔵庫のチルド室で冷やしておきます。食卓に出す直前にカットして、できるだけ食べ切ります。再冷凍できません。アラの冷凍品は賞味期限が30日です。冷蔵庫に8時間入れて解凍します。

結城水産のイメージ

結城水産

所在地
〒882-0096 宮崎県延岡市島浦町673
ショップページ
https://www.meibutsu-choice.jp/shop/detail/74
商品ページ
https://www.meibutsu-choice.jp/products/detail/74/1030211