最高級和牛は松阪牛・神戸牛・近江牛の日本三大和牛
日本には数多くのブランド和牛が存在しますが、その中でも特に名高いのが「日本三大和牛」です。
ここでは、それぞれの和牛が持つ歴史や特徴について詳しく見ていきましょう。
日本三大和牛(松阪牛・神戸牛・近江牛)とは?
日本には数多くのブランド和牛が存在しますが、その中でも特に名高いのが「日本三大和牛」です。
これらの和牛は長い歴史と厳格な基準によって品質が保証されており、国内外で最高級和牛として認められています。
まずは、それぞれの特徴と魅力について詳しく見ていきましょう。
松阪牛

松阪牛(まつさかうし)は、三重県松阪市周辺で飼育される黒毛和種の子を産んでいないメス牛のみが認定される、極めて厳格な基準を持つブランド牛です。
特に「特産松阪牛」と呼ばれる、兵庫県産の選び抜かれた子牛を900日以上長期肥育したものは希少価値が高いとされています。
特筆すべきは、メス牛のみという制限があることで、これにより肉質の柔らかさと上品な脂の甘みがあるところ。
霜降りの美しさは芸術品とも称され、口に入れた瞬間にとろけるような食感が特徴です。
神戸牛

神戸牛(こうべぎゅう)、または神戸ビーフは、兵庫県産の但馬牛(たじまぎゅう)の中から、さらに厳しい基準を満たしたものだけに与えられる称号です。
基準は神戸肉流通推進協議会によって定められており、BMS(脂肪交雑)値No.6以上、歩留等級A・B、肉質等級4以上という厳格な基準に加え、枝肉重量や肉色の基準も設けられています。
神戸牛の特徴は、きめ細かい霜降りと赤身の旨味のバランスの良さ。
脂身の融点が低く、体温で溶けるほど上質な脂が、深いコクと後味の良さを生み出します。
近江牛

近江牛(おうみうし)は、滋賀県内で最も長く肥育された黒毛和種で、約400年の歴史を持つ日本で最も古いブランド牛の一つです。
歴史は古く、江戸時代には将軍家へ献上されていたという記録も残っているほどです。
琵琶湖の豊かな自然環境と良質な水に恵まれた土地で育てられ、ストレスの少ない環境が上質な肉質を生み出します。
近江牛の魅力は、霜降りの美しさと赤身の旨味が調和した味わい深さです。
脂身は甘く、赤身には深いコクがあり、食べた後の余韻も格別です。
日本四大和牛とは?他にもある最高峰の和牛
日本三大和牛に加えて、米沢牛を含めた「日本四大和牛」という呼び方もあります。
さらに、近年では飛騨牛や宮崎牛なども高い評価を受けており、最高級和牛の選択肢は広がっています。
これらの和牛も、それぞれ独自の魅力と厳格な基準を持っています。
米沢牛

米沢牛(よねざわぎゅう)は山形県置賜地域で飼育される黒毛和種で、明治時代から続く伝統あるブランド牛です。
置賜地域で飼育された期間が最も長く、月齢32ヶ月以上で肉質等級3等級以上という基準を満たした牛のみが米沢牛と認定されます。
米沢の寒暖差の大きい気候と良質な飼料で育まれた、きめ細かな霜降りと柔らかな肉質が特徴です。
特に脂の質が高く、人肌の温度で溶けてしまうほど融点が低めです。そのため口当たりがとてもなめらかで、上質な脂を楽しめます。
飛騨牛

飛騨牛(ひだぎゅう)は岐阜県内で14ヶ月以上飼育された黒毛和種のうち、肉質等級5等級、4等級、3等級に格付けされたものを指します。
澄んだ空気と清らかな水で育てられた飛騨牛は、ストレスの少ない環境での飼育が高品質な肉質が魅力です。
飛騨牛の特徴は、バランスの取れた霜降りと赤身の旨味。
全国のブランド牛品評会で2大会連続「金」に輝いていることからも、品質の高さがうかがえます。
宮崎牛

宮崎牛(みやざきぎゅう)は、宮崎県内で生産肥育された黒毛和種のうち、肉質等級4等級以上に格付けされた牛のことです。
「和牛のオリンピック」とも呼ばれる全国和牛能力共進会では、史上初となる4大会連続で内閣総理大臣賞を受賞するなど、その品質の高さは日本トップクラスです。
きめ細かく美しい霜降りと、上品で芳醇な香り、そして赤身のしっかりとした旨みが特徴で、適度な霜降りとのバランスが絶妙。
比較的手に入りやすい価格帯でありながら、高い品質を誇るコストパフォーマンスの良さも人気の理由です。
A5等級が最高級
和牛の品質を示す指標として「A5」「A4」といった等級表示がありますが、「A5=最高級」というイメージだけを持っている人が多いのではないでしょうか。
この等級システムは、和牛の品質を客観的に評価するための重要な基準であり、最高級和牛を選ぶ際の重要な指標です。
歩留等級と肉質等級

和牛の格付けは、「歩留等級(ぶどまりとうきゅう)」と「肉質等級」の2つの基準で評価されます。
歩留等級は、牛一頭から取れる肉の量の割合を示すもので、A(良い)、B(標準)、C(劣る)の3段階で評価されます。
一方、肉質等級は、脂肪交雑(サシの入り具合)、肉の色沢、肉の締まりときめ、脂肪の色沢と質の4項目を総合的に判断し、5(かなり良い)から1(劣る)までの5段階で評価したものです。
この2つの等級を組み合わせて、「A5」や「B4」のように表示したのが和牛の等級です。
和牛の種類や特徴については、下記記事でもっと詳しくご紹介しています。

和牛の種類にはどういうものがある?品種や主な銘柄牛の特徴を紹介

和牛は数ある肉の種類の中でも特別感があり、外国人からも「wagyu」と呼ばれるなど、国内外で広く親しまれています。
A5ランクが最高級と呼ばれる理由
A5ランクは、歩留等級が最高の「A」であり、かつ肉質等級も最高の「5」であることを意味します。
つまり、肉の取れる量が多く、かつサシの入り具合、肉の色、きめ細かさ、脂肪の質といった全ての肉質項目において最高評価を得た牛肉ということです。
これらすべての項目で最高評価を得た牛肉のみがA5ランクとして認定されるため、その希少性と品質の高さから最高級和牛と位置づけられています。
A5ランクの和牛は、見た目の美しさと食味の良さの両方を兼ね備えた、まさに最高級品と言えるでしょう。
部位について
最高級和牛を味わう上で、どの部位を選ぶかも重要なポイントです。
同じA5ランクの牛でも、部位によって味わいや食感、適した調理法が大きく異なります。
ここでは人気の希少部位や、それぞれの部位に適した調理法についてご紹介します。
希少部位のヒレ(シャトーブリアン)、サーロイン

数ある部位の中でも、特に人気が高いのがヒレとサーロインです。
ヒレ肉、特にその中心部であるシャトーブリアンは、一頭から数キログラムしか取れない最も希少な部位です。
運動量が少ない部位のため、信じられないほど柔らかく、脂肪が少ない赤身でありながら深い旨味を持っています。
「肉の宝石」とも呼ばれ、ステーキとして提供される際は最高級の調理技術が求められます。
サーロインは霜降りと赤身のバランスが絶妙で、ステーキの王様とも称される部位。
適度な脂肪と赤身の旨味が調和し、ジューシーな食感と深いコクを楽しめます。
きめ細かいサシが入りやすく、赤身と脂身のバランスが絶妙で、牛肉本来の旨みを存分に味わえる部位です。
部位別おすすめの調理法と焼き加減

最高級和牛の各部位には、その特徴を最大限に活かす調理法があります。
シャトーブリアンは、その繊細な味わいを損なわないよう、シンプルな塩焼きやレアからミディアムレアの焼き加減がおすすめです。
高温で表面を素早く焼き、中心部は生に近い状態で仕上げることで、肉本来の旨味を堪能できます。
サーロインは、霜降りの脂を適度に溶かすため、ミディアムからミディアムウェルの焼き加減が理想的。
ステーキはもちろん、すき焼きやしゃぶしゃぶも絶品です。
リブロースは霜降りが多いため、薄切りにしてすき焼きや焼肉で楽しむのが一般的。
厚切りステーキにする場合は、脂の甘みを活かすためミディアムレアがおすすめです。
余った和牛の保存とリメイクレシピ

高価な和牛だからこそ、最後まで美味しくいただきたいものです。
特別なお肉を無駄にしないための保存方法とリメイクレシピをご紹介します。
正しい保存方法
すぐに食べない場合は、空気に触れないようにラップでぴったりと包み、さらに保存袋に入れて冷蔵庫のチルド室で保存します。
冷凍する場合は、1回分ずつ小分けにして同様に密封し、急速冷凍するのがおすすめ。
解凍は、冷蔵庫でゆっくり時間をかけて行うのが、ドリップを抑えて美味しく食べるコツです。
ドリップに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

肉のドリップとは?対処法や解凍のコツ、ドリップが出づらいお肉とは

肉を調理しようとパックを開けたとき、赤い液体がたまっているのを見て「これって大丈夫?」と不安になったことはありませんか?その液体は「ドリップ」と呼ばれ、肉の鮮度やおいしさに影響する重要な要素です。
リメイクレシピ
ステーキや焼肉で残った和牛は、細かく刻んでガーリックライスやチャーハンに入れたり、贅沢な肉うどんの具材にするのも良いでしょう。
しぐれ煮や佃煮にすれば、日持ちもしてご飯のお供に最適。
薄切りにしてサンドイッチの具材にしたり、細かく刻んでコロッケやハンバーグの具材として活用することも可能です。
失敗しない最高級和牛の選び方3ステップ
せっかく最高級和牛を選ぶなら、本当に質の良いものを見極めたいですよね。
ここでは、購入時にチェックすべき3つのポイントをご紹介します。
霜降りの細かさと赤身色をチェック

最高級和牛を選ぶ際は、まず見た目で品質をチェックしましょう。
良質な和牛は、霜降り(サシ)がきめ細かく、均一に入っています。
赤身の色は、鮮やかで明るい赤色をしているものが新鮮で、くすんだ色や黒っぽいものは避けた方が良いでしょう。
脂身は純白または淡いクリーム色で、透明感があるものが高品質の証。
黄色く濁った脂身は品質が劣る可能性があります。
オンライン購入の場合は商品写真をよく確認したうえで、口コミも参考にするのがおすすめです。
出荷履歴・個体識別番号の確認方法
本物の最高級和牛には、必ず個体識別番号が付与されています。
この番号を独立行政法人家畜改良センターのウェブサイトで検索すると、その牛の出生年月日、雌雄の別、母牛の個体識別番号、種別(品種)、飼養場所の履歴などを確認できます。
松阪牛、神戸牛、近江牛などのブランド牛は、それぞれ専用の証明書が発行されるため、購入時に必ず確認しましょう。
これにより、偽物や不正表示のリスクを減らすことができます。
贈答用と自宅用で異なる最適カット

和牛をどのような目的で購入するかによって、適したカット方法も変わってきます。
目的別のベストなカットをご紹介します。
贈答用
贈り物であれば、見た目の豪華さやインパクトも大切です。
厚切り肉の美しい断面、花びらのように並べられた薄切り肉などをみることで非日常感を感じられ、「豪華なものを贈ってもらえた」という喜びや満足感がより大きくなるからです。
肉の種類では、ステーキ用の厚切りサーロインやシャトーブリアン、すき焼き・しゃぶしゃぶ用の大判スライスなどが喜ばれます。
木箱に入っていたり、風呂敷で包まれていたりと、高級感のあるパッケージングもポイントです。
自宅用
家族で楽しむ場合は、調理のしやすさや食べやすさを重視するのも良いでしょう。
焼肉用の様々な部位の盛り合わせや、煮込み料理用の切り落としなど、用途に合わせて選ぶと無駄なく美味しくいただけます。
普段使いであれば、少しでもお得に購入できる切り落としや、訳あり品なども選択肢に入ります。
最高級和牛をお得に買える通販サイト5選
最高級和牛は、専門店や百貨店だけでなく、通販サイトでも手軽に購入できます。
販売者によって品質や価格に差があるため、信頼できる販売ルートかどうかを確認しておきましょう。
ここでは、信頼できる通販サイトのタイプとそれぞれの特徴をご紹介します。
ブランド公式直販サイト
最も信頼性が高いのは、各ブランド牛の公式直販サイトです。
松阪牛、神戸牛、近江牛などの認定団体が運営するサイトでは、厳格な基準をクリアした正真正銘のブランド牛のみを販売しています。
価格は高めな場合もありますが、品質の保証と個体識別番号の明記、専用証明書の添付など、安心して購入できる環境が整っています。
生産者から直接購入でき、そのブランド牛に関する詳細な情報や、限定商品が見つかることもあります。
また、ギフト用の包装やのし対応も充実しており、贈答用として最適です。
公式サイトでは、生産者の顔が見える情報や飼育方法の詳細も公開されており、購入する和牛のストーリーを知ることができるのも魅力の一つです。
ECモール
楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどの大手ECモールでは、多数の精肉店や卸売業者が最高級和牛を出品しています。
品揃えが豊富で、価格比較がしやすいのが特徴です。
ポイント還元やセールなども頻繁に行われるため、タイミングが合えばお得に購入できる可能性があります。
ただし、出店者が多いため、信頼できるショップかどうかをレビューなどでしっかり見極める必要があります。
優良店舗は、個体識別番号の明記、証明書の添付、丁寧な梱包などを徹底しています。
ECモールでの購入時は、商品説明の詳細さ、写真の鮮明さ、レビューの内容などを総合的に判断し、疑問点があれば直接問い合わせるのがおすすめです。
ふるさと納税を活用したブランド牛調達
ふるさと納税を活用すれば、実質的な自己負担額を抑えながら、最高級和牛を手に入れることができます。
今では多くのブランド牛の産地自治体が返礼品として提供しており、正規品であることが保証されています。
ふるさと納税の中では寄付金額は高めですが、税額控除を考慮すると非常にお得です。
松阪牛、神戸牛、近江牛など、有名なブランド牛も多数ラインナップされているので、選ぶ楽しみも堪能できます。
ただし、人気の返礼品は品切れになることが多いため、定期的にチェックし、見つけたら早めに申し込むことが大切です。
産直ECサイト
生産者と直接取引できる産直ECサイトも、質の高い和牛を購入できるルートの一つです。
中間マージンがカットされるため、品質に対して価格が抑えられることが多いのも大きなメリット。
生産者のプロフィールや飼育方法が詳しく紹介されているので顔が見えやすく、こだわりやストーリーを知った上で購入できるのが他にはない特徴です。
また、産直サイトでは一般市場に流通しない希少な部位や、生産者限定の特別な商品に出会える可能性も。
地域ならではの逸品や、小規模ながら質の高い和牛を生産している事業者から直接お取り寄せできることがあります。
地域のめいぶつを取り扱う「めいぶつチョイス」でも、各地で大切に飼育された牛肉を多数取り扱っています。この機会にぜひご覧ください。
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最高級和牛に関するよくある質問(FAQ)
最高級和牛の購入や調理に関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
A4とA5の味の違いは?
一般的に、A5の方がサシによる口どけの良さや脂の甘みを強く感じやすくA4は赤身の旨味をより強く感じることができると言われます。
やわらかさやとろける食感が魅力の和牛ですが、脂身が苦手な方にはA4の方が好まれることもあります。
味の違いが出るのは、霜降りの密度と分布が違っているからです。
脂肪交雑(サシ)の量がA4等級よりも多く、よりきめ細かくサシが入っているものが「A5等級」と評価されます。
A4でも十分に高品質な和牛体験を得ることができるため、用途や好みに応じて選択するのがおすすめです。
一般流通しないブランド牛はどう買う?
現地の精肉店やレストラン、生産者の直販サイト、特定の産直ECサイト、ふるさと納税の返礼品などで、流通量が少ないブランド牛が取り扱われています。
気になるブランド牛がある場合は、生産地の自治体の情報や直販サイト、産直ECサイトなどをチェックしてみましょう。
海外輸出向け和牛との価格差は?
海外では、一般的に日本国内で購入するよりも高価になる傾向があります。輸送コストや関税、現地の流通マージンなどが加わるためです。
また、近年は日本の和牛は海外でも非常に人気が高く、輸出量が増加しています。
需要の高まりに伴って価格も高くなり、国内の和牛との価格差がさらに大きくなることが考えられます。
まとめ
最高級和牛の世界は、長い歴史と厳格な基準に支えられた、まさに日本が誇る食文化の頂点です。
松阪牛、神戸牛、近江牛を中心とする日本三大和牛から、米沢牛、飛騨牛、宮崎牛などの優秀なブランド牛まで、それぞれが独自の特徴と魅力を持っています。
特別な日の食卓を彩るもよし、大切な方への心のこもった贈り物にするもよし。
最高級和牛を選ぶ際は、この記事で得た知識を活かして、ぜひあなたにとって最高の和牛を見つけてください。
「めいぶつチョイス」では、全国各地の生産者さんが丹精込めて育てたこだわりの和牛を、直接お取り寄せできます。本物の味を、ぜひご家庭でお楽しみください。
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