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すき焼きの牛肉は一人何グラムが目安?おすすめアレンジをプロが解説

和牛肉のすき焼き

すき焼きを作るとき、「牛肉は一人前でどれくらい用意すればいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。特に来客時や特別な食卓に出す際は、足りないことのないよう、適量を把握しておきたいものです。

この記事では、すき焼きに使う牛肉の一人あたりの目安グラム数をはじめ、肉の部位ごとの特徴や選び方を紹介します。また、プロ直伝の基本レシピに加え、すき焼きに合う具材や余ったときのおすすめアレンジ法まで、ミートスペシャリストの沼本憲明さんに教えていただきました。

監修

沼本憲明

沼本憲明
ミートスペシャリスト/株式会社ミコー食品 代表取締役

15歳で肉の道に進み、肉の基本的な知識やさばき方を習得。食肉専門学校を卒業後、精肉専門店で店長兼バイヤーを務めたのち、市場での仕入れや目利きの経験を積む。その後、海外の大手スーパーや百貨店で精肉テナントの立ち上げに携わり、海外進出を開始。筋繊維を傷つけずに筋膜だけを取り除き、肉の旨みを極限まで引き出す独自のカット技術「沼本カット」を考案し、和牛の魅力を国内外に広める活動を続けている。
株式会社ミコー食品

すき焼き一人前の牛肉のグラム数

すき焼きに使う牛肉の量は、食べる人の年齢や好みなどによって異なりますが、一般的には以下の量が目安とされています。

・大人:150~200g
・子供:100~150g

すき焼きの野菜もたっぷり味わう場合は、大人一人あたり150g程度。肉を主役に楽しみたい場合は、200~250g程度を用意してもよいかもしれません。
また、霜降りが多い牛肉はコクが強く少量でも満足感が得られますが、あっさりした赤身中心の肉であれば多めに用意するのがおすすめです。
食べる人やシーンに合わせて、柔軟に牛肉の量を調整するのがポイントです。

すき焼き用の牛肉の選び方とおすすめ部位

すき焼きには、程良く脂が乗った牛肉を選ぶと、肉の脂が割り下をとおして野菜に染み込み、全体の味わいに深みを与えます。
また、赤身が多い部位を使う場合は、霜降りが豊富な部位を少しだけ加えることで、脂の甘みや旨みがプラスされてぐっと贅沢な味わいになります。
以下は、すき焼きに適した代表的な部位とその特徴です。好みに合わせて、ぴったりの部位を選んでみてください。

部位 特徴
肩ロース 霜降りのやわらかい赤身肉で、赤身と脂肪のバランスが良い
前バラ 肩ロースより、脂が少なめでさっぱりとした旨みが楽しめる
リブロース 霜降りがきめ細やかに入り、やわらかい肉質と濃厚な旨みが味わえる
サーロイン きめ細やかな肉質と、とろけるような脂の風味が贅沢に堪能できる
モモ 脂肪分が少なく、あっさりヘルシーに食べられる
バラ 脂肪と赤身が層になっていて、コクのある味わいがある

すき焼きにおすすめの部位や選び方については、下記の記事で詳しくご紹介しています。

すき焼きにぴったりの牛肉の部位は?プロ直伝の調理のコツを紹介

すき焼きにぴったりの牛肉の部位は?プロ直伝の調理のコツを紹介

日本を代表する牛肉料理のひとつ、すき焼き。使う牛肉の部位によって、割り下に溶け出す脂の甘みや肉の旨みが異なるため、鍋全体の味わいの印象が大きく変わります。

プロ直伝!牛肉の風味を引き立てるすき焼きの作り方

黒毛和牛のすき焼き

すき焼きをおいしく仕上げるには、肉の焼き方や具材を入れる順番のポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、プロが実践している調理の流れをベースに、家庭でも取り入れやすい基本の作り方をご紹介します。

<材料(2~3人分)>


  • 牛肉(すき焼き用薄切り肉) 300~500g
  • 焼き豆腐 1丁
  • 長ネギ 2本
  • 春菊 1束
  • しらたき 1袋
  • しいたけ 4枚
  • ごぼう 1本
  • 牛脂 適量

[割り下]


  • 醤油 100ml
  • みりん 100ml
  • 酒 100ml
  • 砂糖 大さじ4

※割り下は好みに応じて甘さや濃さを調節してください。

<作り方>


  • しらたきは下茹でしてから、食べやすい長さに切る。焼き豆腐は食べやすい大きさに切る。長ネギは斜め切り、春菊は食べやすい長さに切る。しいたけは石づきを取り、飾り切りする。ごぼうはささがきまたは薄切りにし、水にさらしてアクを抜く。
  • ボウルに割り下の材料をすべて入れ、よく混ぜる。
  • 鍋を熱して牛脂を溶かし、鍋全体になじませる。
  • 牛肉を数枚広げ、軽く焼き色がつくまで炒める。ここで、牛肉の旨みと香ばしさを引き出す。
  • 牛肉の赤い色が消えるくらいまで炒めたら、牛肉を一度取り出す。鍋に残った脂で、ごぼうや長ネギを炒める。
  • 割り下を適量注ぎ入れ、しらたき、焼き豆腐、しいたけ、春菊を加えて、中火で煮る。
  • 野菜から水分が出てきて具材に火が通ったら、取り出しておいた牛肉を戻し入れる。弱火で温める程度に火を通して食べる。残りの牛肉も食べる分だけ順次加えて楽しむ。

プロの調理のコツ


  • 牛肉は最初に焼くことで、肉の風味を最大限に引き出すことができる
  • 焼いた牛肉を一度引き上げることで、火の通し過ぎを防ぎ、やわらかくジューシーな触感を楽しめる
  • 野菜は牛肉の脂で炒めてから煮ると、旨みが行き渡り、鍋全体の味がまとまる
  • 牛肉は食べる分だけ順次入れて、火を通しすぎないように注意する

すき焼きに合う食材

すき焼きは牛肉が主役の料理ですが、組み合わせる食材によってその味わいは格段に豊かになります。野菜やきのこ、豆腐などの具材をうまく取り入れることで、食感や風味に変化が生まれ、最後まで飽きずに楽しめます。
ただし、水分の多い野菜を入れすぎると割り下が薄まり、全体の味がぼやけてしまうことも。白菜などを使う場合は、あらかじめ水気をしっかり切るなどの工夫が必要です。根菜類を加えるときは、火のとおりやすさを考慮して薄く切るのがポイントです。
ここでは、すき焼きにぴったりの定番食材とその特徴をご紹介します。

長ネギ

甘みと香ばしさがすき焼きの風味を引き立てます。鍋の中でしっかり火を通すことで、とろっとした食感と自然な甘みが引き出されます。

しいたけ

旨み成分が豊富なため、煮ることで出汁のような役割を果たします。飾り切りを施すと、見た目も華やかになります。

しらたき

牛肉の脂が溶け出した煮汁を吸い取り、鍋の中の水分を適度に調節してくれます。下茹でしてアクを抜いてから使うのが基本です。

焼き豆腐

煮崩れしにくく、割り下の味や肉の旨みをしっかり吸ってくれます。全体の味を調和させる役割もあります。

春菊

独特の香りが肉の脂をさっぱりと中和し、薬味のような役割も果たします。最後に加えて香りを活かすのがポイントです。

ごぼう

薄切りやささがきにして加えると、シャキシャキした食感と土の香りが加わり、すき焼きに深みが出ます。市販のカット済み商品を活用すれば、手間も省けて便利です。

生卵

溶き卵に具材をくぐらせて食べると、割り下の味をまろやかに調整できます。濃厚なブランド卵を使えば、さらに贅沢な味わいが楽しめます。

余ったすき焼きのアレンジ法

すき焼き丼

すき焼きはシンプルな味付けだからこそ、余った場合もさまざまな料理にアレンジできます。翌日もおいしく楽しめるよう、少し多めに作っておくのもおすすめです。ここでは、余ったすき焼きを活かした定番のアレンジ法をご紹介します。

すき焼き丼

ご飯に具材と煮汁をのせるだけで、ボリューム満点の一品に仕上がります。肉や野菜にしっかりと味が染みているため、温め直すだけで手軽においしく食べられるのが魅力です。お好みで温泉卵をのせるとまろやかさが加わり、刻みネギを添えれば香りと食感のアクセントにもなります。

すき焼きカレー

残った肉や野菜、煮汁をカレーに加えれば、醤油の甘辛風味が溶け込んだ一皿に。和の旨みが加わることで、奥深いコクのある味わいが楽しめます。すき焼きで煮込んだ具材も旨みに変わるので、余すことなくおいしく再活用できます。

すき焼き卵とじ

余ったすき焼きの具材に溶き卵を流し入れて軽く火を通せば、ふんわり卵が割り下の旨みを包み込みます。ご飯にのせれば卵とじ丼としても楽しめ、夕食であともう一品ほしいときにもぴったり。七味唐辛子を加えると、味にアクセントが生まれます。

適量の牛肉を準備して、すき焼きをおいしく作ろう

すき焼きをおいしく楽しむためには、牛肉の量や部位選びが重要なポイントです。一人前の目安は、大人で150~200g、肉をしっかり食べたい場合は200~250g程度がおすすめ。野菜や豆腐などの具材もバランスよく取り入れれば、満足感のある一品になります。さらに、余ったすき焼きはひと手間加えてアレンジすれば、最後まで飽きずに楽しむことができますよ。

めいぶつチョイスでは、家庭でも手軽に本格的な味わいを楽しめるよう、すき焼きにぴったりの牛肉を多数取りそろえています。いつもの食卓をちょっと贅沢に演出したいときは、ぜひ産地や品質にこだわったお肉を選んでみてください。

「紡ぐめいぶつ」は、日本の各地で丁寧に作り上げられた品々と、その想いに共感する読者の感性を、文章で結びつける読みものです。
地域には、多くの方々との出会いを待っている特別な品々があります。作り手のこだわりや想いは、時に言葉では表現しきれないほど繊細で深いもの。
私たちは、そんな「伝えたい」と「知りたい」をつなぐ細い糸となって、品物が持つオリジナルの物語に寄り添いながら、新しい出会いの機会を紡いでいきます。