最古のおかず味噌「金山寺味噌」とは
ごはんのお供やお酒の肴にそのまま食べる「おかず味噌」の代表格である金山寺味噌。いわゆる「なめ味噌」の一種で、「径山寺味噌」とも書きます。つくり方は通常の味噌とは異なり、米・大豆・麦などの穀物原料を麹にし、うり、なす、生姜、しそなどの野菜を漬け込んで発酵・熟成させる栄養満点の味噌です。最も古くから食べられているおかず味噌で、現在は主に和歌山県、千葉県、静岡県などで生産されています。
金山寺味噌のはじまり
金山寺味噌の起源は諸説ありますが、鎌倉時代に和歌山県の興国寺へ伝わったという説が有力です。宋(現・中国)に渡った法燈国師が金山寺味噌の製法を学び、日本に持ち帰り伝えたとされています。法燈国師は、興国寺を建立した僧・覚心のこと。その後、交通の便も良く、水質が味噌や醤油の製造に適していた湯浅町やその他の地域で広まり、以来親しまれてきました。
また、鎌倉時代より前に、和歌山県・高野山真言宗の開祖である空海が遣唐使として入唐・勉学の折、唐の金山寺から持ち帰り、大勢の修行僧を養う「僧坊食」として用い、その後修行僧が各地に広めたという説もあります。
醤油のルーツは、金山寺味噌!?
私たちの生活になくてはならない醤油のルーツは、金山寺味噌だという説が有力です。当初つくられていた金山寺味噌は水分が多いものだったようで、樽底にたまった液汁を舐めてみると大変おいしかったことから調味料として使われるように。諸説ありますが、これが醤油の起源であるといわれています。

味噌汁用ではなく、そのままおかずとして食べる金山寺味噌は、常備しておくと便利な一品。金山寺味噌の王道の食し方「ごはんのお供」と「野菜ディップ」をご紹介します。

ごはんのお供
炊き立てのほかほかごはんと金山寺味噌特有の旨味は相性抜群で、それだけで十分にごちそうです。なお、金山寺味噌の本場である和歌山県では、番茶やほうじ茶で炊いたお粥「茶粥」に金山寺味噌を添えていただくのがお決まりです。もちろん通常のおかゆにもおすすめです。

野菜ディップ
きゅうりなどお好きな野菜につけて食べれば、お酒のおつまみにもピッタリな一品に。麹のつぶつぶ感も食べ応えがあり、一般的な味噌に比べて低塩かつやさしい甘味があるので、ついつい手が伸びて野菜がぐんぐん進むこと間違いなし。旨味たっぷりで奥深い味わいは、さっぱりとした野菜に最適です。
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※本記事はにほんものストアにて2021年8月26日に公開された記事の転載です。記事の内容は掲載当時の情報です。