塩の味はなにで決まるのか?
よく、「岩塩だから~」「海水塩だから~」と、原料の種類で味を決めてしまうのを耳にするのですが、実は塩の味は、原料よりも製造方法によって大きく変化していきます。それは、製造方法によって、塩の結晶の中に含まれる各種ミネラルのバランスと結晶の形が決まるからです。塩に含まれるミネラルは下記の通り。それぞれ味が決まっているので、どのミネラルがどのようなバランスで含まれているかが、味に大きな影響を与えます。塩を構成する主なミネラルとその味わいは、下の図の通り。ぜひ覚えておきましょう。

上記のミネラル以外にも、鉄が含まれている場合には鉄由来の酸味を感じることができますし、硫黄が多く含まれている場合は、温泉たまごのような独特の香りと甘味を感じることができます。
パッケージを見ると塩の味が推測できる
塩に含まれるミネラルの量は、パッケージの裏側の栄養成分表示(熱量、たんぱく質などが記載されているところ)に記載されています。2020年4月より、ナトリウムは「食塩相当量」として記載することになったので、100gあたりの「食塩相当量」を見てみてください。この数値が高ければナトリウムの構成比が高いということなので、しょっぱさが強い塩ということができます。この数値が低ければ、ナトリウム以外のミネラルが多く含まれているので、しょっぱさ以外にもいろいろな味が感じられる塩ということです。メーカーによっては、ナトリウム以外のミネラルの含有量も記載していることもあります。
もしなにも記載がない場合は、塩がベタベタしているかを見てみてください。ベタベタしている塩は、マグネシウムとカリウムが主体となったミネラル濃縮液である「にがり」が塩の結晶に付着しているので、ナトリウムの構成比は低めのことがほとんどです。

このように、塩は1つ1つ味が異なるので、どの塩を使うかによって、料理の味が変わります。ぜひ、シンプルに食材+複数の塩で、引き出される食材の味わいの変化を楽しんでみてくださいね。
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※本記事はにほんものストアにて2021年4月12日に公開された記事の転載です。記事の内容は掲載当時の情報です。