塩で食べると食材本来の味わいがわかる
ドレッシング(Dressing)はその名の通り食材にドレスを着せて着飾らせることで料理を完成させる調味料です。しかし、塩はドレスを着せることはできません。その代わり、塩は食材が持つ本来の味わいをさまざまな方向から引き出し、余すところなく食材の性格そのものを楽しむことができます。豚や鶏も成長過程で食べたもので肉の味が変わります。塩で食べると、「この豚は穀物っぽい味がする」なんていうエサの特徴まで気がつくことができます。ドレッシングやソースももちろん美味しいのですが、まずは塩だけで食べてみてください。食材本来の味わいをしっかり知ってからドレッシングやソースをかけたほうが、種類や量が的確に把握できるので、よりおいしく食べることができます。
牛肉(赤身)と豚・鶏(白身)に合う塩は違う
前回ご紹介した牛肉(赤身)と比べると、運動量の少なくなりがちな白身の肉にはミオグロビン(鉄分)が少なく、わずかながら苦味が含まれていることが多くあります。そのため、塩もほのかに苦味のある塩を合わせてあげると、苦味同士が同化して口の中でコクとして感じます。また、味わいそのものも牛肉と比べると淡泊なので、しょっぱさが強い塩を合わせてしまうと、肉の味が消えて塩の味が勝ってしまうことがあるので、しょっぱさは比較的まろやかなタイプのお塩をおすすめします。

平飼いで育てられた地鶏は豚に、放牧で育てられた豚は牛に近づく
平飼いの地鶏や放牧で育てられた豚は運動量が多くなるため、筋肉中のミオグロビンも増え、一般的に流通している鶏(ブロイラー)や豚とは味わいがまったく異なります。イメージとしては、地鶏は豚肉に近くなり、放牧豚は牛に近くなる印象です。もしこういった鶏や豚でを塩で味わう時には、鶏には豚用の塩を、豚には牛肉用の塩を合わせるようにしてみてください。相性の良さに驚くはずです。
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※本記事はにほんものストアにて2021年10月28日に公開された記事の転載です。記事の内容は掲載当時の情報です。